サッポロビール新品種ホップ飲み比べーホップについてー
こんにちは。サッポロビールの篠原です。
今回は8.9月のシュパーク新商品であるフラノ1401U号/フラノ1508B号についてご紹介します。
この商品は石川県のクラフトブルワリーである、金沢百万石ビールとの共創品。
サッポロビールが開発した北海道上富良野生まれのホップ品種で、まだ名前がついていない、フラノ1401U号/フラノ1508B号を100%使用したIPA2種の飲み比べセットです。
どちらのホップも今回初めてビールとしてデビューしました。
ビールの味わいを楽しみながら、この名もなきホップ品種の未来を一緒に考えていきましょう。
このセットはビールを飲むだけではない、新しい商品開発に取り組める商品です!
1.ホップを知る
ビールをつくる上で欠かせない原材料である”ホップ”。でもホップって日々の生活では中々出会うことはなのではないのでしょうか? そんな方のために、サッポロビールのホップのプロである、育種家達にホップについて話を聞きました。
お話を聞いた人
サッポロビール(株)原料開発研究所 原料育種研究グループ 鯉江さん
サッポロビール(株)原料開発研究所 原料育種研究グループ 久慈さん
1) ホップってどんなもの?
ホップはアサ科の多年生つる植物です。
生産物のほぼ全てがビール醸造のために使用される、ビール専用のハーブともいうべき作物で、ビールに苦味や香りを与えてくれます。
ホップには雄株と雌株があり、ビールの原料として使うのは球花と呼ばれる雌株が生産する果実だけになります。
ホップがビールに与える苦味は、樹脂に含まれるフムロン、 香りは精油(エッセンシャルオイル)が担っています。
この苦味と香りがそれぞれ品種や産地によって違うので、 どのホップを選び、どんな使い方をするかで、その特徴を活かしたビールが生まれます。
シトラスの香りが特長的なホップ⇒シトラスの香りが特徴的なビール
2)ホップの育種の重要性
サッポロビールは大麦とホップの両方を「育種」している世界でも珍しいビール会社です。
「育種」とは、その種の中の遺伝的なバリエーションを使って、ヒトにとってより遺伝的な性質を持つ種類を作り出すことです。
優良なホップをつくる育種法の一つである交配育種では、母親と父親の交配以降、生育、評価、選抜を数回繰り返すため、通常は下記の様に10年以上かかります。
① 交配する(1年)
② 交配した種子からたくさんの実生(種から芽出しして生育する植物体)を育て、優れた約1%を選ぶ(3年)
③ 選んだ有望系統の、株数を挿木などで増やして育成・評価(4年)
④ さらに良いものを選んで挿木増殖し、大きな規模での育成・評価(3年)
④優れたもののみ品種化
北海道上富良野にあるサッポロビールのホップ圃場
サッポロビールの原料研究所
3)国産ホップについて
1871年(明治4)、北海道の岩内地方で野生のホップが発見され、1875年以降外国のホップ種子、種苗を導入するところから日本のホップ栽培が始まりました。
最初は北海道の札幌で、続いて本州の長野県、北海道上富良野、戦後は東北地方を中心に日本のホップ栽培は拡大しました。
戦後、ビール需要の高まりとともにホップ栽培は大きく伸び、1968年にはピークを迎えました。
その後為替の影響などによって輸入ホップが増加、国産ホップは減少、現在も国産ホップの生産量は漸減傾向にあります。
ホップは比較的水分が多く必要な作物です。
日本のホップは潤沢な降雨と日本の生産者のきめ細かな栽培技術を背景に毎年のびやかに成育し、品種が持っている潜在能力が十分発揮されていると感じています。
サッポロビールはより個性的で、まだ見ぬホップを求めて育種を進め続け、日本のホップ産業やビール市場の発展に貢献します。
4)フラノ1401U号・フラノ1508B号について
今回商品化された新たなホップ品種フラノ1401U号/フラノ1508B号。
どちらもサッポロビールの代表的な開発品種であり、世界に名を馳せる「ソラチエース」のひ孫にあたり、2021年に国内品種登録が出願されました。
ソラチエースはレモングラス・ヒノキ様の香りが特徴的ですが、フラノ1401Uと1508Bは下記の様な特徴があります。
| フラノ1401U号 | フラノ1508B号 |
|---|---|
| シトラスやフローラル、パイナップル、グリーンなどの香りが穏やかに広がり、全体としてフルーティーな風味が印象的 | トロピカルやグレープフルーツのような香りが広がり、世界的なフレーバーホップであるネルソン・ソーヴィンに匹敵する高い香気 |
フラノ1401U号
フラノ1508B号
両品種が品種化されるまで、やはり約10年の時間がかかりました。
品種化されても他の品種との競争の中で、なかなか商品化までは結び付きません。
そんな中今回ようやくデビューできることになりました。今後のこれら2品種の行く末は、皆様の評価にかかっているかもしれません!?
とはいえ、まずは特長的なこの2種の味わいを楽しんでください。
2.フラノ1401U/フラノ1508B ネーミング募集!
フラノ1401U号・フラノ1508B号は品種登録時に付けられた名称、番号です。
そのためホップ品種としての「名前」はまだありません。
そこで今回発売を記念してホップ品種2種の名前を募集し、優秀賞を決定いたします。
ビールの味わいやホップの香りを楽しんでいただき、皆さんが感じたピッタリの名前をご応募ください。
未来の新商品にこれらのホップを使用した際は、今回決まった名前が使われるかもしれません。(※)
3. フラノ1401U/フラノ1508B 香味評価募集!
今回初めてビールとしてデビューした2品種。そこで商品の飲用感想をふまえた、香味評価を実施させていただきます!
お酒好きの皆様ならではの視点でいただいた評価をふまえ、今後の商品開発に向けて積極的に活用させていただきます。
※決定した名前は今後の商品で毎回必ず使用することをお約束するものではございませんので、ご了承ください。

サッポロビール株式会社
篠原 輝里子(Shinohara Kiriko))
<略歴>
2011年サッポロビール株式会社入社。
商品開発に従事。好きなビアスタイルはピルスナー。
